==社会とAN==
*オーストリアの[[エリーザベト (オーストリア皇后)|エリーザベト皇后]]も嫁姑問題を契機にANを発症した、といわれている。
*日本では、ANは一般的には「'''拒食症'''」の名前で知られており、その患者の実態は、たびたびドキュメンタリーとしてマスコミに取り上げられることがある。[[カーペンターズ]]の[[カレン・カーペンター]]が拒食症から心臓発作を起こして死亡した際に、本症は日本やアメリカで大きな注目を浴び、注目される疾患となった。
*[[BMI]]値が拒食症者と同等であろう女性芸能人達を「スタイルが良い」、「目指すべき体形」ともてはやしている現代の[[メディア]]にも問題があるという見方がある一方、鋭い感性の持ち主である少女たちはメディアの提案する流行に乗せられるような存在なのではなく、彼女たちの美意識にメディアが応えているにすぎないのだから、メディアを責めるのは筋違いだという意見もある。
用語の説明
2007年2月10日土曜日
神経性無食欲症/診断
==診断==
[[DSM-IV]]の診断基準では、「[[標準体重]]の85%の値を維持することを拒否する」「体重が減少しているときでも、現在の体重が増加することに対して恐怖がある」「標準体重に満たない場合も、自分自身の体重を多すぎると感じる」「(初潮後の女性の場合)3周期以上に渡る[[無月経]]」の4項目を診断基準としている。
さらに、
*活動性の亢進があること。体重を落とすため、必要以上の運動・活動を行うこと。
*現在の病状、深刻性について、認識に乏しいこと。
を組み合わせて診断を行う。診断基準に完全には合致しない場合に、[[非定型摂食障害]](特定不能の摂食障害)の診断になることがある。例えば月経が不順ながら存在し、その他はANの基準を満たす場合、[[非定型摂食障害]]と診断される。
摂食障害の患者は時に診療を拒否し、問診の際に症状を隠す傾向にあるため注意が必要。
ANは、以下の2種類のサブタイプに分類される。
*制限型神経性無食欲症(AN-R)
:制限型のAN('''restricting type''')では、食物を口にすることを重度に制限するが、AN-BPに見られるような行動は行ったことがない。
*無茶食い-排泄型神経性無食欲症(AN-BP)
:無茶食い-排泄型のAN('''binge-eating/purging type''')では、食物を過量に摂取した後、自分で[[嘔吐]]を誘発して、あるいは[[利尿剤]]、[[下剤]]等を用いて、食物の排泄を試みる、というエピソードを行う。(しかし、下剤や利尿剤では食物の吸収をほとんど妨げることはできない。)排泄する代わりに、無茶食いの後に数日間絶食する場合もある。
2002年の「DSM-IV-TR」の診断基準も同様である。
その他の診断基準として、[[厚生労働省]]の診断基準やICD-10の診断基準も存在する。
[[DSM-IV]]の診断基準では、「[[標準体重]]の85%の値を維持することを拒否する」「体重が減少しているときでも、現在の体重が増加することに対して恐怖がある」「標準体重に満たない場合も、自分自身の体重を多すぎると感じる」「(初潮後の女性の場合)3周期以上に渡る[[無月経]]」の4項目を診断基準としている。
さらに、
*活動性の亢進があること。体重を落とすため、必要以上の運動・活動を行うこと。
*現在の病状、深刻性について、認識に乏しいこと。
を組み合わせて診断を行う。診断基準に完全には合致しない場合に、[[非定型摂食障害]](特定不能の摂食障害)の診断になることがある。例えば月経が不順ながら存在し、その他はANの基準を満たす場合、[[非定型摂食障害]]と診断される。
摂食障害の患者は時に診療を拒否し、問診の際に症状を隠す傾向にあるため注意が必要。
ANは、以下の2種類のサブタイプに分類される。
*制限型神経性無食欲症(AN-R)
:制限型のAN('''restricting type''')では、食物を口にすることを重度に制限するが、AN-BPに見られるような行動は行ったことがない。
*無茶食い-排泄型神経性無食欲症(AN-BP)
:無茶食い-排泄型のAN('''binge-eating/purging type''')では、食物を過量に摂取した後、自分で[[嘔吐]]を誘発して、あるいは[[利尿剤]]、[[下剤]]等を用いて、食物の排泄を試みる、というエピソードを行う。(しかし、下剤や利尿剤では食物の吸収をほとんど妨げることはできない。)排泄する代わりに、無茶食いの後に数日間絶食する場合もある。
2002年の「DSM-IV-TR」の診断基準も同様である。
その他の診断基準として、[[厚生労働省]]の診断基準やICD-10の診断基準も存在する。
神経性無食欲症/症状
==症状==
ANは、精神神経疾患の中では、致死率が最も高い疾患のなかのひとつであり、最終的な致死率は5%-20%程度である。主な死因は、極度の[[低栄養]]による感染症や不整脈の併発である。患者は自己の体重が減少することに満足できるため、自殺が死因となることは[[神経性大食症]](過食症)と比較して少ないが、
[[抑うつ症状]]を伴うこともあり、[[自殺]]企図をきたす症例もある。
*極度の体重減少
*女性の場合、[[無月経]]
*活動性の上昇、易興奮性、睡眠障害
*抑うつ症状
*食物への興味の上昇…しばしば[[料理]]関係の情報を収集する
*強迫的な思考
*[[自傷行為]]
*手掌・足底の黄染(高カロテン血症)
*[[低血圧]]
*[[便秘]]、[[腹痛]]
*[[電解質]]異常、特に低[[カリウム]]血症
*[[骨粗鬆症]]
*続発性[[甲状腺機能低下症]]
電解質異常は、特に[[利尿剤]]の乱用が見られる症例では起こりやすく、時に低カリウム血症から致死性の[[不整脈]]をきたし、急激に死に至ることがある。
また、これらの個人に属する症状に加えて、極度の体重減少や易刺激性が、周囲との関係不良をもたらすことも大きな問題となる。
ANは、精神神経疾患の中では、致死率が最も高い疾患のなかのひとつであり、最終的な致死率は5%-20%程度である。主な死因は、極度の[[低栄養]]による感染症や不整脈の併発である。患者は自己の体重が減少することに満足できるため、自殺が死因となることは[[神経性大食症]](過食症)と比較して少ないが、
[[抑うつ症状]]を伴うこともあり、[[自殺]]企図をきたす症例もある。
*極度の体重減少
*女性の場合、[[無月経]]
*活動性の上昇、易興奮性、睡眠障害
*抑うつ症状
*食物への興味の上昇…しばしば[[料理]]関係の情報を収集する
*強迫的な思考
*[[自傷行為]]
*手掌・足底の黄染(高カロテン血症)
*[[低血圧]]
*[[便秘]]、[[腹痛]]
*[[電解質]]異常、特に低[[カリウム]]血症
*[[骨粗鬆症]]
*続発性[[甲状腺機能低下症]]
電解質異常は、特に[[利尿剤]]の乱用が見られる症例では起こりやすく、時に低カリウム血症から致死性の[[不整脈]]をきたし、急激に死に至ることがある。
また、これらの個人に属する症状に加えて、極度の体重減少や易刺激性が、周囲との関係不良をもたらすことも大きな問題となる。
神経性無食欲症/疫学
==疫学==
社会的要素を含む疾患であるため、その病態は国によっても異なる。[[ダイエット]]が若年層の一大関心事である[[日本]]におけるANは、若年層、特に青年期の女性に非常に多いことが特徴である。若年男性でのANの発症も見られることがある(例:[[しんがぎん]]、[[鈴木その子]]の息子)が、男女比はおよそ1対20である。発症年齢が年々低年齢化しており、小学生での発症も増加している。治療は一般に困難であり、長い時間がかかる。合併症や自殺のために経過の途中で死亡する例もある(5%~15%程度)。
一方で、近代的なダイエットとは無縁のアフリカの地方部においてAN様の病像を呈する症例の報告があり、宗教的信念との関連が考えられている。
社会的要素を含む疾患であるため、その病態は国によっても異なる。[[ダイエット]]が若年層の一大関心事である[[日本]]におけるANは、若年層、特に青年期の女性に非常に多いことが特徴である。若年男性でのANの発症も見られることがある(例:[[しんがぎん]]、[[鈴木その子]]の息子)が、男女比はおよそ1対20である。発症年齢が年々低年齢化しており、小学生での発症も増加している。治療は一般に困難であり、長い時間がかかる。合併症や自殺のために経過の途中で死亡する例もある(5%~15%程度)。
一方で、近代的なダイエットとは無縁のアフリカの地方部においてAN様の病像を呈する症例の報告があり、宗教的信念との関連が考えられている。
神経性無食欲症とは?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
医療情報に関する注意:ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。
神経性無食欲症(しんけいせいむしょくよくしょう, anorexia nervosa:アノレキシア・ネルボーザ/ナーボサ, AN)は精神疾患のうち、摂食障害の一種である。一般には拒食症(きょしょくしょう)とも言われる。若年層に好発し、ボディ・イメージの障害(自分は太っている、と考えること)、食物摂取の不良または拒否、体重減少を特徴とする。神経性食欲不振症、神経性食思不振症とも言う。
==総論==
神経性無食欲症は、心理的要因・社会的要因・生物学的要因によって生じる、摂食行動を主な表現形とする[[精神疾患]]である。通常、慢性経過をとることが多い。近年、[[日本]]において増加傾向にあり、また経過途中で[[抑うつ]]を伴ったり身体的疾患を合併することもあり、社会に与える影響も大きい。
典型的なANの患者では、体重を落とすために始めた[[ダイエット]]で達成感が得られ、体重を落とすことを止められなくなってしまう。低体重であっても自分の体重を多すぎると感じ、さらに体重を減らすことを望む。鏡を見ても「まだまだ痩せられる」と感じるのみであり、体重が低すぎるとは考えない。
[[宗教]]上の理由から[[断食]]をする場合、政治的目的から断食による[[ストライキ]]を行う場合、あるいは[[カロリー]]を制限することで長寿が達成できるという健康上の信念を持っている場合に、食事を摂らないか極端に食事の摂取量を減らす例があるが、これらはANではない。
時にANは、[[神経性大食症]](過食症)や、その他非定型性の[[摂食障害]]へと、病像が変化する場合がある。
医療情報に関する注意:ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。
神経性無食欲症(しんけいせいむしょくよくしょう, anorexia nervosa:アノレキシア・ネルボーザ/ナーボサ, AN)は精神疾患のうち、摂食障害の一種である。一般には拒食症(きょしょくしょう)とも言われる。若年層に好発し、ボディ・イメージの障害(自分は太っている、と考えること)、食物摂取の不良または拒否、体重減少を特徴とする。神経性食欲不振症、神経性食思不振症とも言う。
==総論==
神経性無食欲症は、心理的要因・社会的要因・生物学的要因によって生じる、摂食行動を主な表現形とする[[精神疾患]]である。通常、慢性経過をとることが多い。近年、[[日本]]において増加傾向にあり、また経過途中で[[抑うつ]]を伴ったり身体的疾患を合併することもあり、社会に与える影響も大きい。
典型的なANの患者では、体重を落とすために始めた[[ダイエット]]で達成感が得られ、体重を落とすことを止められなくなってしまう。低体重であっても自分の体重を多すぎると感じ、さらに体重を減らすことを望む。鏡を見ても「まだまだ痩せられる」と感じるのみであり、体重が低すぎるとは考えない。
[[宗教]]上の理由から[[断食]]をする場合、政治的目的から断食による[[ストライキ]]を行う場合、あるいは[[カロリー]]を制限することで長寿が達成できるという健康上の信念を持っている場合に、食事を摂らないか極端に食事の摂取量を減らす例があるが、これらはANではない。
時にANは、[[神経性大食症]](過食症)や、その他非定型性の[[摂食障害]]へと、病像が変化する場合がある。
摂食障害/原因
摂食障害の根本的な原因は、医療的にまだ定かでない。思春期のダイエットがきっかけとなる場合が多い。思春期は成長期の為太りがちだが、昨今の社会的風潮から異常なまでに痩せている容姿がもてはやされ、やせ願望に拍車がかかっている。ダイエットをすることにより本人が無意識に自己イメージの否定を行うことから始まる。体重減少で達成感を味わい、更なる達成感を求め、結果的に脳の満足中枢が正常に機能しなくなってしまうことによって起こるとされる。
摂食障害になる理由としては以下の説がある。
・成長することに対する恐怖からの代償行動説
・同様の、「女性性の拒否」による代償行動説
・性差別を受ける存在としての女性性の否定説。
・肥満への恐怖からのダイエット・ハイ説
・ストレス解消説
・遺伝説
摂食障害になる理由としては以下の説がある。
・成長することに対する恐怖からの代償行動説
・同様の、「女性性の拒否」による代償行動説
・性差別を受ける存在としての女性性の否定説。
・肥満への恐怖からのダイエット・ハイ説
・ストレス解消説
・遺伝説
摂食障害/女性に多い
統計
摂食障害は、若い女性に多くみられ、男性には拒食症は比較的少ないとされる。これは、摂食障害は性差別を受ける存在としての女性性に対する嫌悪・ストレスがあるという説がある。最悪の場合には餓死、皮下脂肪減少に伴う体温低下から心停止もありうるので注意を要する。
対処
拒食と過食は周期的に繰り返される場合が多く、精神科医・心療内科医など医師や心理カウンセラーの心理的なカウンセリングを受けることが有効である。
摂食障害は、若い女性に多くみられ、男性には拒食症は比較的少ないとされる。これは、摂食障害は性差別を受ける存在としての女性性に対する嫌悪・ストレスがあるという説がある。最悪の場合には餓死、皮下脂肪減少に伴う体温低下から心停止もありうるので注意を要する。
対処
拒食と過食は周期的に繰り返される場合が多く、精神科医・心療内科医など医師や心理カウンセラーの心理的なカウンセリングを受けることが有効である。
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